高校野球と変化球
高校野球には甲子園という夢の舞台があり、少しでもその舞台に近づこうと高校球児たちが日々汗を流しています。
その高校野球はプロ野球とは投手やピッチングに関わるところでもルールや環境などで違うところがあります。
ルールでは木製バットより芯の広い金属バットの使用を認められているところ。
環境では選手層の薄さによる投球数の増加や大会日程による短期間での連投など。
これらを踏まえながら一般的な変化球について考えてみたいと思います。
その高校野球はプロ野球とは投手やピッチングに関わるところでもルールや環境などで違うところがあります。
ルールでは木製バットより芯の広い金属バットの使用を認められているところ。
環境では選手層の薄さによる投球数の増加や大会日程による短期間での連投など。
これらを踏まえながら一般的な変化球について考えてみたいと思います。
新基準の金属バット
高校野球で使用される金属バットにもプロ野球の木製バットと同じように一定の基準が定められています。
その基準が2024年の春の選抜大会から変更されています。
・バットの直径が最大67mm未満から最大64mm未満に変更
この変更によってバットの芯に当てづらくなることが考えられます。
細くなったことで特に縦の変化に合わせづらくなるかと思います。
・バットの肉厚が約3mmから約4mm以上に変更
これはバットのトランポリン効果(変形して元に戻ろうとする力)による反発性能を落とすための変更で、1mm厚くなったことで打球初速が約3.6%減少し、反発性能も5%から9%減少したとのこと。
今回の変更によって、反発性能は木製バットと近い値にまで落ちたとのこと。
この他、バットの重量は900グラム以上であることが求められます。
今回の新基準バット導入の目的は2つで、
・打球による負傷事故の防止(特に投手)
・投手の負担軽減によるケガ防止
だそうです。
打球直撃によって投手が大きなケガ、時に命に関わるような事故が発生していることや、打高投低による投手の投球数増加による負担増を改善するためだということです。
その基準が2024年の春の選抜大会から変更されています。
・バットの直径が最大67mm未満から最大64mm未満に変更
この変更によってバットの芯に当てづらくなることが考えられます。
細くなったことで特に縦の変化に合わせづらくなるかと思います。
・バットの肉厚が約3mmから約4mm以上に変更
これはバットのトランポリン効果(変形して元に戻ろうとする力)による反発性能を落とすための変更で、1mm厚くなったことで打球初速が約3.6%減少し、反発性能も5%から9%減少したとのこと。
今回の変更によって、反発性能は木製バットと近い値にまで落ちたとのこと。
この他、バットの重量は900グラム以上であることが求められます。
今回の新基準バット導入の目的は2つで、
・打球による負傷事故の防止(特に投手)
・投手の負担軽減によるケガ防止
だそうです。
打球直撃によって投手が大きなケガ、時に命に関わるような事故が発生していることや、打高投低による投手の投球数増加による負担増を改善するためだということです。
高校野球におけるストレート
言葉通りの球筋で力勝負になる球種。
素直な球筋のため芯の広い金属バットでは捉えられやすいが、球威があれば打ち返す打者にも相応の筋力が必要になる。
リリース時は人差し指と中指の2点で全身から集めた遠心力を使ってボールを押し出すため、指や握力に繋がる肘周りまでの筋肉に大きな負荷が掛かり、疲労も溜まりやすい。
高校野球適正:★★★☆☆
ストレートの投げ方と握り方(変化球研究所)
リリース時は人差し指と中指の2点で全身から集めた遠心力を使ってボールを押し出すため、指や握力に繋がる肘周りまでの筋肉に大きな負荷が掛かり、疲労も溜まりやすい。
高校野球適正:★★★☆☆
ストレートの投げ方と握り方(変化球研究所)
高校野球におけるツーシーム
正式名称はツーシーム・ファストボールというファストボールの一種。
投手の利き手の方向に小さく、鋭く変化する。
下方向への変化を含む場合も。
打者の内角に食い込ませ、詰まらせてゴロを打たせる目的で使われることが多い。
ただ、芯の広い金属バットでは小さな横の変化には対応されやすいか。
ストレートと同じく力でリリースするため負荷が高く、曲げようと無理に腕を捻ってしまうと肘に大きな負担が掛かる危険も。
高校野球適正:★☆☆☆☆
ツーシームの投げ方と握り方(変化球研究所)
投手の利き手の方向に小さく、鋭く変化する。
下方向への変化を含む場合も。
打者の内角に食い込ませ、詰まらせてゴロを打たせる目的で使われることが多い。
ただ、芯の広い金属バットでは小さな横の変化には対応されやすいか。
ストレートと同じく力でリリースするため負荷が高く、曲げようと無理に腕を捻ってしまうと肘に大きな負担が掛かる危険も。
高校野球適正:★☆☆☆☆
ツーシームの投げ方と握り方(変化球研究所)
高校野球におけるカーブ
ストレートとは対極にある、もっとも変化する変化球。
強烈なトップスピンを掛けることで大きな縦の変化を生み出す。
主に打者のタイミングを外したり打ち気を逸らす目的で使用されるが、ブレーキの利いたカーブは空振りも狙える。
新基準で細くなった金属バットには縦の変化の大きいカーブが特に有効になるかも。
カーブの”押し出さない”リリースは疲労が溜まり難く、疲労の影響も他の球種に比べて受けづらい。
高校野球適正:★★★★★
カーブの投げ方と握り方(変化球研究所)
強烈なトップスピンを掛けることで大きな縦の変化を生み出す。
主に打者のタイミングを外したり打ち気を逸らす目的で使用されるが、ブレーキの利いたカーブは空振りも狙える。
新基準で細くなった金属バットには縦の変化の大きいカーブが特に有効になるかも。
カーブの”押し出さない”リリースは疲労が溜まり難く、疲労の影響も他の球種に比べて受けづらい。
高校野球適正:★★★★★
カーブの投げ方と握り方(変化球研究所)
高校野球におけるスライダー
空振りの取れる決め球として使える、おそらく今、最も使い手の多い球種。
縦横の変化を含むが、その度合いは投げる人によって様々。
右投手なら対右打者、左投手なら対左打者ではバットから逃げるように変化するため、特に効果的に。
ただ、芯の広い金属バットは横の変化に強いため、縦の変化の大きいスライダーの方が有効になるかも。
スライダーはストレートとは逆に肘を回外させ、且つ回転を掛けるために力を入れてリリースする必要があるため、肘に非常に負担が掛かる。
疲労がない状態であれば筋肉で負荷を吸収できるが、疲労で筋力が働かなくなってくると肘の靱帯に大きな負荷が掛かるようになってしまう。
疲労蓄積や怪我回避のためには、できることなら多投は避けたいか。
高校野球適正:★★☆☆☆
スライダーの投げ方と握り方(変化球研究所)
縦横の変化を含むが、その度合いは投げる人によって様々。
右投手なら対右打者、左投手なら対左打者ではバットから逃げるように変化するため、特に効果的に。
ただ、芯の広い金属バットは横の変化に強いため、縦の変化の大きいスライダーの方が有効になるかも。
スライダーはストレートとは逆に肘を回外させ、且つ回転を掛けるために力を入れてリリースする必要があるため、肘に非常に負担が掛かる。
疲労がない状態であれば筋肉で負荷を吸収できるが、疲労で筋力が働かなくなってくると肘の靱帯に大きな負荷が掛かるようになってしまう。
疲労蓄積や怪我回避のためには、できることなら多投は避けたいか。
高校野球適正:★★☆☆☆
スライダーの投げ方と握り方(変化球研究所)
高校野球におけるスイーパー
近年、MLB(メジャーリーグ・ベースボール)でスライダーから新たに分類された変化球。
スライダーの中でも、横変化が大きく縦変化が小さいものがスイーパーとして独立した。
右対右、左対左であれば、バットからほぼ水平に逃げて行く。
スライダーの項に書いた通り金属バットは横の変化に強いため、中途半端な変化や甘く入ると痛打される。
また、基本的にストライクゾーンの高さから横滑りさせるため、打者にとっても強いスイングのしやすい高さである点は留意すること。
細心のコントロールが要求される。
疲労面、負担面はスライダーと変わらず大きいため、投げ過ぎ注意。
高校野球適正:★☆☆☆☆
スライダーの投げ方と握り方(変化球研究所)
スライダーの中でも、横変化が大きく縦変化が小さいものがスイーパーとして独立した。
右対右、左対左であれば、バットからほぼ水平に逃げて行く。
スライダーの項に書いた通り金属バットは横の変化に強いため、中途半端な変化や甘く入ると痛打される。
また、基本的にストライクゾーンの高さから横滑りさせるため、打者にとっても強いスイングのしやすい高さである点は留意すること。
細心のコントロールが要求される。
疲労面、負担面はスライダーと変わらず大きいため、投げ過ぎ注意。
高校野球適正:★☆☆☆☆
スライダーの投げ方と握り方(変化球研究所)
高校野球におけるシンカー
名前の通り沈む変化球。
沈む以外にも投手の利き手側に曲がる変化を含むことが多い。
シンカーと呼ばれる球には2種類あり、沈みの大きいツーシームの様な高速シンカーと、横に逃げながら大きく沈むチェンジアップの様な低速シンカーに分けられる。
高速シンカーは変化が小さいと金属バット相手では捉えられやすいか。
低速シンカーはチェンジアップとして緩急を活用するとより効果的。
シンカーは基本的にしっかり沈ませるには肩を入れ込んでリリースする必要があるため、肩関節を故障しやすい球種。
多投は避けたいところ。
高校野球適正:★★☆☆☆
シンカーの投げ方と握り方(変化球研究所)
沈む以外にも投手の利き手側に曲がる変化を含むことが多い。
シンカーと呼ばれる球には2種類あり、沈みの大きいツーシームの様な高速シンカーと、横に逃げながら大きく沈むチェンジアップの様な低速シンカーに分けられる。
高速シンカーは変化が小さいと金属バット相手では捉えられやすいか。
低速シンカーはチェンジアップとして緩急を活用するとより効果的。
シンカーは基本的にしっかり沈ませるには肩を入れ込んでリリースする必要があるため、肩関節を故障しやすい球種。
多投は避けたいところ。
高校野球適正:★★☆☆☆
シンカーの投げ方と握り方(変化球研究所)
高校野球におけるフォークボール
ストレートに近い軌道から急激に減速し落下する変化球。
空振りを取れる変化球としては随一。
落差を出すにはボールをしっかり挟む必要があるが、すっぽ抜けないようにするには強い握力が必要になる。
指に力を入れっぱなしで腕を振るため肘への負担が大きく、多投すればあっという間に握力が効かなくなる他、大きな故障に繋がるリスクも大きい。
高校野球適正:★★★☆☆
フォークボールの投げ方と握り方(変化球研究所)
空振りを取れる変化球としては随一。
落差を出すにはボールをしっかり挟む必要があるが、すっぽ抜けないようにするには強い握力が必要になる。
指に力を入れっぱなしで腕を振るため肘への負担が大きく、多投すればあっという間に握力が効かなくなる他、大きな故障に繋がるリスクも大きい。
高校野球適正:★★★☆☆
フォークボールの投げ方と握り方(変化球研究所)
高校野球におけるチェンジアップ
ストレートの腕の振りで途中までストレートと同じ軌道を描く遅い変化球。
スッと沈んだり投手の利き手方向に曲がる変化をするが、メインとなるのは打者のタイミングを外す緩急。
上級者のチェンジアップは本当にストレートと見分けがつかず、ボールが来ていないうちに打者のバットがクルクル回る。
ただしセットで使われるストレート等、緩急の”急”の質も問われる。
腕の振りはストレートと同じ自然な振りで、ストレートと違い指で押し出さないリリースのため、体への負担はごく小さい。
高校野球適正:★★★★★
チェンジアップの投げ方と握り方(変化球研究所)
スッと沈んだり投手の利き手方向に曲がる変化をするが、メインとなるのは打者のタイミングを外す緩急。
上級者のチェンジアップは本当にストレートと見分けがつかず、ボールが来ていないうちに打者のバットがクルクル回る。
ただしセットで使われるストレート等、緩急の”急”の質も問われる。
腕の振りはストレートと同じ自然な振りで、ストレートと違い指で押し出さないリリースのため、体への負担はごく小さい。
高校野球適正:★★★★★
チェンジアップの投げ方と握り方(変化球研究所)
高校野球ならではのメリット・デメリットはある
1試合を1人で投げ切ることが多く、また試合間隔が短くなりがちな高校野球の大会では、疲労の溜まりやすい球種の多投はパフォーマンスの維持を難しくするかもしれません。
また、疲労の溜まった状態での投球は肘や肩に深刻な故障を引き起こす可能性があります。
逆を言えば、疲労の溜まりにくい球種を極めれば、ハイパフォーマンスを維持したままトーナメントを戦い抜けるかもしれません。
他にも高校野球ならではのメリットやデメリットがあるかもしれないので、ぜひ探してみてはどうでしょう。
また、疲労の溜まった状態での投球は肘や肩に深刻な故障を引き起こす可能性があります。
逆を言えば、疲労の溜まりにくい球種を極めれば、ハイパフォーマンスを維持したままトーナメントを戦い抜けるかもしれません。
他にも高校野球ならではのメリットやデメリットがあるかもしれないので、ぜひ探してみてはどうでしょう。